佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

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マイスターチャレンジ&ヴィクトリーチャレンジ&王者の眼差し賞&川崎記念

(2018/02/23)

1月と2月をまたいでの開催では、恒例の佐々木竹見カップ・ジョッキーズグランプリが行われました。第1戦を勝利し、第2戦で4着だった大井の矢野貴之騎手が、3度目の出場で初優勝となりました。

その日の最終レースとして行われた『王者の眼差し賞』では、大井の柏木健宏騎手が4番人気のドゥアイドゥで逃げ切りました。

そして今年最初のJpnI川崎記念は、ケイティブレイブが逃げ切って、昨年の帝王賞に続くJpnI・2勝目。鞍上は福永祐一騎手でした。

今回はこの4レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

川崎記念(優勝馬ケイティブレイブ)2018年1月31日(水)
川崎記念
斎藤 ケイティブレイブが逃げて、東京大賞典では中団からだったアポロケンタッキーが2番手につけました。
竹見 ほかに行く馬がいないので、ケイティブレイブはいいペースで行けました。この馬は逃げて正解です。アポロケンタッキーは、この日はパドックですごくよく見えました。内田博幸騎手は、スタートして行ければ行こうという気合で押して行きました。
斎藤 勝負どころまで隊列はあまり変わりませんでした。
竹見 ケイティブレイブの福永騎手はうまくペースを落として、向正面でペースアップしました。すんなりとハナをとれた時点で、完全にケイティブレイブのレースになりました。アポロケンタッキーも、今回は積極的にレースを運んで、最後までよく粘りました。まだ6歳で、これからまだまだよくなると思います。
斎藤 アウォーディーは内の5番手あたりを追走して、直線では前に迫りましたが3着でした。
竹見 アウォーディーはスタートでちょっと後手を踏んでしまいました。内々を通ることになって、向正面から勝負どころの3コーナーまで、前にも外にも馬がいたので、動くに動けませんでした。ようやく外に持ち出せたのは4コーナー手前でした。スタートを互角に出て、道中はもう一段前、グレンツェントあたりの位置をとれればよかったのですが……。そうすれば2着はあったかもしれません。サウンドトゥルーは、今回は直線で思ったより伸びませんでした。
マイスターチャレンジ(優勝馬マイネルアクスト)2018年1月30日(火)
斎藤 北海道の桑村騎手が逃げて、1番人気の矢野騎手は2番手でした。
竹見 矢野騎手は好スタートを切って、行こうとすれば行けたでしょうが、外から桑村騎手が行く気を見せたので、控えて2番手。1番人気ということもあって自信を持って乗っています。4コーナーあたりでは、前の馬だけとらえればという競馬で、馬自身も強かったです。
斎藤 2着は11番人気、兵庫の下原理騎手でした。
竹見 下原騎手は3番手の内、絶好位につけました。そのうしろにつけたのが吉原騎手です。今回は前残りの競馬で、下原騎手のヤクマンブルースが、最後は半馬身まで差を詰めましたが、矢野騎手のマイネルアクストは余裕がありました。
斎藤 3着は7番人気の吉原寛人騎手でした。
竹見 吉原騎手は3コーナーあたりで一旦下げて、4コーナーを回るところで、うまく外に持ち出しました。吉原騎手は毎年南関東で期間限定騎乗していますから、コースや流れがよくわかっています。
ヴィクトリーチャレンジ(優勝馬ラーゴブルー)2018年1月30日(火)
斎藤 逃げたのは愛知の岡部誠騎手。1番枠から外を見ながら、競りかけてくる馬もいませんでした。2番手に笠松の佐藤友則騎手、3番手の外に戸崎圭太騎手という前3頭の隊列は、3コーナー過ぎまで変わりませんでした。
竹見 岡部騎手のサトノワイバーンは、4コーナー手前まで楽な手ごたえで来ていましたから、そのまま粘るかと思いましたが、直線では後退してしまいました。それにしても、1番人気とはいえ戸崎騎手のラーゴブルーは強かった。直線で自信を持って抜け出しました。
斎藤 2着、3着は中団を追走していた馬たちの追い比べになりました。
竹見 ペースがそれほど遅かったわけではないですが、2着争いは末脚勝負になりました。2着の桑村騎手は道中5番手外目のいい位置につけていました。3着の山崎誠士騎手はそのうしろ。向正面で繁田騎手が一気に仕掛けて行ったときころでも我慢していました。山崎騎手はいつでも落ち着いているのがいいです。そのぶん、終いに脚を使う馬だと結果を出します。勝った馬は能力が抜けていましたが、2着の桑村騎手、3着の山崎騎手はうまく乗りました。
王者の眼差し賞(優勝馬ドゥアイドゥ)2018年1月30日(火)
斎藤 4番人気、柏木騎手のドゥアイドゥがすんなりとハナをとりました。
竹見 ドゥアイドゥはダッシュ力があります。スタートダッシュがよかったぶん、マイペースに持ち込んで逃げ切りました。絶好位、内の3番手につけていた真島騎手(サンボルチモア)も直線で伸びていますが、最後まで差は詰まりませんでした。
斎藤 前は2頭が残りましたが、3着は中団から伸びた赤岡騎手のイッポンギでした。
竹見 赤岡騎手は(14頭立て)13番からのスタートでしたが、スタート後の直線で内に入れて行きました。これはよかったと思います。内に入れて折り合いをつけての追走というのを考えていたのでしょう。それにしても直線を向いて、前の視界が開けてからよく伸びました。

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