戸塚記念&いわし雲特別&柏尾川特別
9月6~10日の開催では、8日に3歳馬による戸塚記念が行われ、大井の牝馬ハーミアが重賞初制覇を果たしました。前開催の本欄で取り上げたビクトリースガは惜しくも2着に敗れましたが、町田直希騎手は最後方追走から向正面で一気にまくって見せ場をつくりました。
翌9日のいわし雲特別では一転、その町田騎手がセンゲンコスモで逃げ切り勝ちを決めました。
10日の柏尾川特別は、1番人気のチョウサンペガサスが逃げ込みを図るところ、藤江渉騎手のヒロキキュウが差し切りました。
今回は、この3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)
戸塚記念(優勝馬ハーミア) 2010年9月8日(水)
斎藤 | 勝ったハーミアの戸崎騎手は3番手につけました。 |
竹見 | 楽に好位をとって、泥をかぶらない位置を追走していました。 |
斎藤 | 町田騎手のビクトリースガは最後方からでした。 |
竹見 | おそらく向正面あたりで外に出して仕掛けて行こうと思っていたのではないでしょうか。ただ、スタートでもう少し前に行ってもよかったと思います。 |
斎藤 | 町田騎手は向正面で一気にまくって、先頭に並びかけました。 |
竹見 | まくっていったのはよかたのですが、3コーナーあたりで抑えてしまいました。ほんとうはあそこでまくりきってしまえばよかったんです。まくるときは途中で息を入れてしまってはよくありません。勢いをつけたまま一気に行ききったほうがよかったように思います。ただ、勝ったハーミアもテンから楽をしていましたから、ビクトリースガを行かせませんでした。こういうパターンになったら、楽に逃げていた馬のほうが有利です。 |
斎藤 | 直線は2頭の競り合いになりましたが、最後はハーミアが突き放しました。 |
竹見 | さすがにハーミアはテンに楽をしていただけあって、直線で伸びました。ビクトリースガの町田騎手も、2着でしたが思い切ったいいレースをしたと思います。 |
斎藤 | 山崎騎手のミヤビジンダイコも直線では内から伸びて3着でした。 |
竹見 | ミヤビジンダイコは、スタートでうしろに下げました。それでも最初のスタンド前では空いているラチ沿いから少しずつ位置取りを上げて、向正面を向くときにはナイセストスターの直後につけています。4コーナーから直線を向くあたりでうまく前が空いたので、直線で伸びてきました。山崎騎手もうまく乗ったと思います。 |
いわし雲特別(優勝馬センゲンコスモ) 2010年9月9日(木)
斎藤 | センゲンコスモは町田騎手が出ムチを入れてハナに行きました。 |
竹見 | おそらく調教師に言われた作戦ではないでしょうか。前々走の浦和のレースでも逃げて大差で勝っています。 |
斎藤 | 直線では楽に後続を離しました。 |
竹見 | ただ直線は追ってくる馬がいませんでしから、それほど無理に追わなくてもよかったように思います。この馬はハナに行くか、2番手あたりからレースをすると力を発揮します。まだまだ上のクラスに行っても活躍できるでしょう。 |
斎藤 | 山崎騎手のスパンキーラビットが直線で2着に上がりました。 |
竹見 | スパンキーラビットはデビュー2連勝で注目されましたが、そのあとは今ひとつのレースが続きました。次は勝はおそらく勝てるでしょう。 |
柏尾川特別(優勝馬ヒロキキュウ) 2010年9月10日(金)
斎藤 | 藤江騎手のヒロキキュウは、4番手につけました。 |
竹見 | スタートから追っていって、おそらく前に行きたかったんだと思いますが、行けませんでした。そのあとラチ沿いが空いてるのを見て、スッと内のいいところに入れました。理想的な位置取りですが、あの位置は、前の馬がバテて下がってくると行き場をなくすことはあります。ただ今回のメンバーなら逃げたチョウサンペガサスがバテることはないでしょうし、アイアンビスティーが3コーナーあたりから下がりはじめましたが、その前に藤江騎手は馬をラチ沿いに入れていますから、もう前にはじゃまになる馬はいませんでした。 |
斎藤 | 酒井騎手のチョウサンペガサスは、粘るかと思いましたが、最後は伸びが見られず2着でした。 |
竹見 | チョウサンペガサスは、2戦続けてレコード勝ちのときは強かったですが、そのあとはあまりいい走りが見られません。どこも悪いところはないらしいのですが、どうしたんでしょうね。直線まで楽な手ごたえで走っていましたが、追ってからぜんぜん伸びませんでした。これで負けるとは思いませんでした。楽に逃げているようで、だからといって追って伸びるわけではないという馬もいることはいるんですが。 |
2010年9月27日