佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

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'16スパーキングサマーチャレンジ&酔っぱらい怪獣「ベロン」杯&宮ヶ瀬ふるさとまつり・花火大会特別

(2016/8/23)

7月25日~29日の開催でメインとして行われたのは、準重賞・'16スパーキングサマーチャレンジ。勝ったのは断然人気に支持された浦和のトーセンセラヴィで、鞍上は目下南関東のダントツリーディング、船橋の森泰斗騎手でした。6番人気ながら惜しくもハナ差2着だったのは、川崎で期間限定騎乗中、赤岡修次騎手のノーキディングでした。

28日は、恒例になった怪獣酒場とのコラボ開催。3歳1組の酔っぱらい怪獣「ベロン」杯を制したのは、赤岡修次騎手のヴォーチェでした。

そして最終日の最終レースに行われた宮ヶ瀬ふるさとまつり・花火大会特別は、山崎誠士騎手のベルゼブブが10番人気ながら逃げ切りました。

今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

'16スパーキングサマーチャレンジ(優勝馬トーセンセラヴィ) 2016年7月27日(水)
スパーキングレディーカップ(優勝馬ホワイトフーガ)
斎藤 スタートして2番手が赤岡修次騎手のノーキディング、直後の3番手が1番人気、森泰斗騎手のトーセンセラヴィで、4コーナー手前からは2頭の一騎討ちになりました。
竹見 直線を向いてトーセンセラヴィが一旦は半馬身くらい前に出ていますが、ゴール前でノーキディングが差し返しています。それでもトーセンセラヴィの森騎手がハナ差でしのぎました。クビの上げ下げの決着になると、ゴールの直前にハミを外して手綱を伸ばす騎手がいます。そうすると馬の首が下がって前に出ます。森騎手は、ゴールの少し前から手綱を長くして、それをやっています。ただこれは相当うまい騎手しかできません。首をぐっと前に出して走る馬なので、余計に効果があります。トーセンセラヴィは、いずれ牝馬同士の重賞に出るくるのではないでしょうか。
斎藤 赤岡騎手のノーキディングは、6番人気でしたが最後まで食い下がって見せ場をつくりました。
竹見 道中2番手で溜めていって、ずっと追ってきても最後まで伸びるところが赤岡騎手のいいところです。結果はハナ差届きませんでしたが、一旦相手に完全に前に出られながら、よく差し返しました。
酔っぱらい怪獣「ベロン」杯(優勝馬ヴォーチェ) 2016年7月28日(木)
斎藤 勝った赤岡騎手のヴォーチェは、馬群がバラけた5番手からの追走でした。
竹見 シグラップジュリアの拜原騎手が、譲らず行く気になって飛ばして行きましたから、前のペースは速かったと思います。赤岡騎手は、向正面あたりでは前からかなり離れた位置でした。さすがにペースが速かっただけあって、3~4コーナーでは形勢が一変します。真島騎手のリュボーフが仕掛けていって4コーナーで先頭です。
斎藤 赤岡騎手はその後ろから、4頭分、外に持ち出して追ってきました。
竹見 赤岡騎手は落ち着いて乗っていました。3コーナー過ぎまでは内目にいましたが、4コーナーでは先行2頭がバテて下がってくると見て外に出したと思います。先に先頭に立ったリュボーフのほうが勝ったような展開でしたが、赤岡騎手のヴォーチェは最後によく伸びて差し切りました。うまくペースを読んで馬の力を発揮させました。
宮ヶ瀬ふるさとまつり・花火大会特別(優勝馬ベルゼブブ) 2016年7月29日(金)
斎藤 勝ったベルゼブブは、中央から転入2戦目。初戦が11着だったので、今回は10番人気でした。
竹見 これは山崎誠士騎手が、外枠からでも思い切ってハナに行ったのがよかったと思います。スタートしてからのスピードが他の馬とは違いました。ハナを取り切って1コーナーに入ったあたりでペースを落としています。
斎藤 3~4コーナーでは赤岡騎手のペプチドアポロが直後でプレッシャーをかけましたが、ベルゼブブは結局は後続を寄せ付けずの逃げ切りでした。
竹見 4コーナーを回って、一気に振り切ったところで勝負が決まりました。道中で息を入れたぶん、最後まで余力がありました。楽なレースをしたのは、的場騎手のストリークライトでしょう。5番手追走から3~4コーナーで楽な手ごたえで位置取りを上げてきました。ゴール前でよく伸びましたが、ベルゼブブは3馬身差をつけて、余裕があっての逃げ切りでした。ベルゼブブは、まだまだ上のクラスに入っても勝てそうです。

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