佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

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報知オールスターカップ&川崎スプリントシリーズ・ファースト賞&末広特別

(2017/2/13)

正月開催のメインは報知オールスターカップ。勝ったのは大井のケイアイレオーネで、鞍上の的場文男騎手は自身の持つ最高齢重賞勝利記録を60歳3カ月27日に更新しました。

2日に行われた川崎スプリントシリーズ・ファースト賞は、瀧川寿希也騎手のハウマーナが先行争いから他馬を振り切っての快勝でした。また4日に行われた末広特別を勝ったのは、中央から転入初戦のアズナヴァル。向正面から一気に仕掛けた今野忠成騎手の見事な騎乗でした。

今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんに伺いました。(聞き手・構成/斎藤修)

報知オールスターカップ(優勝馬ケイアイレオーネ) 2017年1月3日(火)
全日本2歳優駿(優勝馬ケイアイレオーネ)
斎藤 ケイアイレオーネは先行集団を見ながら、外目を追走しました。
竹見 的場騎手は、いつもであればもっと積極的に行っていますが、今回はがっちり抑えて、控えて5、6番手からの追走でした。それがひとつ勝因になったと思います。
斎藤 的場騎手は、2周目の3コーナーから一気に仕掛けて行きました。
竹見 川崎コースでは落ち着いたペースになると向正面から一気にレースが動くことが多いですが、的場騎手は3コーナーまで我慢して、そこから一気に行きました。仕掛けるタイミングが絶妙でした。4コーナーで先頭に立ちましたが、それで抜け出してしまったわけではなく、内でタイムズアローとムサシキングオーが最後まで食い下がっていましたから、ケイアイレオーネも気を抜くことなく、最後までしっかり脚を使えたと思います。2着3着の多い馬ですが、的場騎手は今回は落ち着いて乗りました。
斎藤 後方3番手あたりを追走していたクラージュドールが最後に半馬身差まで迫りました。
竹見 内々を回ってきて、直線で外に持ち出して、最後にいい脚で追い込んできました。
斎藤 タイムズアローは3番手からの追走で、最後まで粘っていました。
竹見 真島騎手は、ちょっと早め早めに行き過ぎたかもしれません。内枠でスタートがよかったので、行かざるをえなかったのかもしれませんが、早めに先頭に立つとソラを使うところがあるので、もう少しじっくり乗ってもよかったと思います。
川崎スプリントシリーズ・ファースト賞(優勝馬ハウマーナ) 2017年1月2日(月)
斎藤 スタートして、前は4頭横一線の先行争いとなりました。
竹見 この900メートルではどの馬も行きたいはずですから、先行争いが激しくなるのはいつものことです。ハウマーナの瀧川騎手は、それでも譲らずに行ったのはよかったと思います。5番枠だったので、あれで抑えていたら外の馬に包まれていたかもしれません。直線で楽々と後続を突き放して、ここでは力の違いを見せつけました。
斎藤 瀧川騎手は、この開催でリーディングを獲りました。
竹見 瀧川騎手は、ゲートを出てから二の脚のダッシュをつけていくところがとても良いです。それが最近の好成績につながっていると思います。道中は落ち着いていますが、追ってからがもう少し手綱を短めに持って追えるようになるといいと思います。あとはムチで叩きすぎる感じなのはあまり感心できません。ただ最近では川崎以外での騎乗依頼も増えてきていますから、これから成績も伸びていくでしょう。
末広特別(優勝馬アズナヴァル) 2017年1月4日(水)
斎藤 今野騎手のアズナヴァルは10頭立ての8番手からでした。
竹見 1番人気、森騎手のジョルジオがマイペースで気持ちよく逃げていました。そこに、後方を追走していたアズアヴァルが2コーナーをまわって向正面に入ったところから一気に仕掛けていって、向正面の半ばでは早くも先頭に立ちました。マイペースで逃げていた森騎手には、もしかしたら油断があったかもしれません。それにしても今野騎手はうまく乗りました。
斎藤 今野騎手がそのまま押し切りました。
竹見 向正面で一気に行き切ってしまったのがよかったです。もし森騎手のジョルジオに食い下がられていたら、余分に脚を使わされて直線では苦しくなっていたかもしれません。今野騎手の思い切った作戦が見事にハマりました。
斎藤 2着争いから抜け出したのが、藤江渉騎手のモリデンリオでした。
竹見 藤江騎手は3番手追走から、ペースアップしたところで一旦5番手まで位置取りを下げてしまいました。直線でも前2頭がカベになって、外に切り替えるロスはありましたが、それでもよく伸びてきました。

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