佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

記事
ホーム > カワサキケイバマニアックス > 佐々木竹見・王者の眼差し > 鎌倉記念&サウンドホース賞&川崎南ライオンズクラブ特別

鎌倉記念&サウンドホース賞&川崎南ライオンズクラブ特別

(2016/10/20)

10月3~7日の開催でメインとして行われたのは、南関東で今年最初の2歳重賞、鎌倉記念でした。勝ったのは、北海道から遠征のストーンリバー。鞍上は、デビュー4年目、この日が川崎コース初騎乗となった井上幹太騎手でした。

翌6日に行われたJRA認定2歳1組のサウンドホース賞は、瀧川寿希也騎手のリアルファイトが直線一気の差し切り勝ちを決めました。また同日に行われたB2・B3級の牝馬限定戦では、昨年3歳時に重賞線戦で期待されたリボンスティックが、デビュー戦以来の2勝目を挙げました。鞍上は今野忠成騎手でした。

今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

鎌倉記念(優勝馬ストーンリバー) 2016年10月5日(水)
鎌倉記念(優勝馬ストーンリバー)
斎藤 勝ったストーンリバーはスタートがあまりよくありませんでした。
竹見 それでも行きっぷりがいいので、それほど仕掛けることなく、2コーナーを回るところでは好位の4番手につけています。外目の10番枠で、うまく外に持ち出して、砂をかぶらずに行けたのもよかったと思います。
斎藤 ストーンリバーは、終始外々を回って差し切りました。
竹見 追われてからの伸びがいいですね。3コーナーあたりからは追い通しで、それでも最後に伸びていますから、相当に力があると思います。井上騎手は、出負けしても早めに好位をとったのがよかったと思います。控えたままでは、真島騎手のゴーフューチャーがいい感じで逃げていたので、逃げ切られていたかもしれません。ゴーフューチャーのほうも強くなると思うので、先々が楽しみです。
斎藤 前半は最後方を追走していた石崎駿騎手のティーケーグラスが追い込んで3着でした。
竹見 ティーケーグラスは終いの脚がいいですから、直線の長い大井コースなら、さらに能力を発揮するのではないでしょうか。
サウンドホース賞(優勝馬リアルファイト) 2016年10月6日(木)
斎藤 勝った瀧川騎手のリアルファイトは無理には行かず、縦長の4番手の内目を追走しました。
竹見 前とは差があっても、瀧川騎手は落ち着いていました。3コーナーで後ろから来た馬に交わされても追い出していません。まだまだ余裕がありました。
斎藤 4コーナー手前でも、前の2頭とはまだ差がありました。
竹見 前の2頭はいいペースで逃げていましたから、4コーナーのあたりでは、その2頭で決まるかにも思えました。リアルファイトが追い出したのは3、4コーナーの中間あたりからで、直線ではぐんぐん伸びてきました。
斎藤 前走でも4コーナー6番手からの差し切りでした。
竹見 前の2頭が後続を離していたとはいえ、ペース自体はそれほど速くはなかったので、人気になった前の2頭が2、3着に残っています。その2頭をとらえたのはリアルファイトだけでしたから、相当に強いレースをしたと思います。瀧川騎手も好騎乗でした。瀧川騎手はゲートの出もいいし、最近は道中での手綱がだいぶ短くなったのもいいです。
川崎南ライオンズクラブ特別(優勝馬リボンスティック) 2016年10月6日(木)
斎藤 今野騎手のリボンスティックは、スタートは互角でしたが、中団まで控えての追走でした。
竹見 先頭とは少し差はありましたが、内目のいいところを追走していました。平均ペースか、前は競り合って少し速かったかもしれません。
斎藤 4コーナー手前からは笹川騎手のチャコリを目標に追い出して、連れるようにして伸びました。
竹見 今野騎手は前半我慢させて、終いの脚を引き出しました。並びかけてからも楽な感じで差し切りました。今野騎手は前回が初騎乗で、今回が2回目ですから、そのあたりの特徴はつかんでいたのでしょう。好騎乗だったと思います。

ページトップへ