佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

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スパーキングサマーカップ&ゴールデンルーキー賞&ききょう賞

(2015/9/4)

8月17日~21日の開催のメインとして行われたスパーキングサマーカップは、中央から転入初戦のブルーチッパーが、転入2戦目のケイアイレオーネとの一騎打ちを制しました。ともに所属は大井、鞍上も大井の真島大輔騎手と的場文男騎手でした。

初日に行われた2歳馬のJRA認定競走、ゴールデンルーキー賞を制したのは町田直希騎手が手綱をとったシャークカイザーで、デビューから2連勝となりました。

2日目、川崎ヴィーナスシリーズ9のききょう賞は、瀧川寿希也騎手のトウカイピアレスが差し切りました。

今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

スパーキングサマーカップ(優勝馬ブルーチッパー) 2015年8月19日(水)
スパーキングサマーカップ(優勝馬ブルーチッパー)
斎藤 真島騎手のブルーチッパーが逃げて、的場騎手のケイアイレオーネがぴたりと2番手につけました。
竹見 ブルーチッパーは外目の枠でも一気にハナをとりました。ケイアイレオーネは、中央では後ろから行って末脚を生かすレースをしていましたが、転入初戦のサンタアニタトロフィーでも好位の4番手から、今回は前に並びかけようかという勢いでの2番手でした。スタート後、左海騎手のポイントプラスも大外から行く気を見せましたが、ケイアイレオーネの的場騎手は譲りませんでした。あそこで下げて3番手あたりからでもよかったと思います。スタートで気合をつけたぶん、勢いがついて、2コーナーあたりまで少し掛かっていました。
斎藤 3コーナー過ぎからは2頭の一騎打ち。ブルーチッパーの真島騎手は追い通しでした。
竹見 一旦はケイアイレオーネのほうが前に出て、完全に勝ったように見えましたが、最後、ブルーチッパーはよく差し返しました。真島騎手は迷わずハナを主張したのがよかったと思います。それにしても牝馬なのに根性があって、強いレースをします。JBC(レディスクラシック)でも期待できるのではないでしょうか。
斎藤 ケイアイレオーネはサンタアニタトロフィーに続いての2着でした。
竹見 ケイアイレオーネのような大型馬は、前に行ったからといってさらに最後に脚を使えるということはありません。それで最後に差し返されたと思います。4、5番手あたりに控えて、末脚を生かせるレースをしたほうがいいと思います。
ゴールデンルーキー賞(優勝馬シャークカイザー) 2015年8月17日(月)
斎藤 町田騎手のシャークカイザーは、スタート後は中団より後ろでしたが、徐々に位置取りを上げていきました。
竹見 スタートしての直線では、3、4頭が競り合って、先行勢は少しペースが速かったかもしれません。ただ2コーナーを回るあたりでペースが落ち着くと、町田騎手は位置取りを上げていっています。1番人気ということもあって、今回は積極的に動いていきました。
斎藤 3コーナー手前から仕掛けて行って、4コーナーでは早くも先頭に立ちました。
竹見 仕掛けとしては少し早かったかもしれません。ただ1番人気ですから、前を負かしにいかなければならず、これは仕方なかったでしょう。
斎藤 最後は楢崎騎手のラバルカに迫られましたが、ハナ差でしのぎました。
竹見 ラバルカは前半溜めて行ったぶん、最後に伸びました。シャークカイザーのほうは、3コーナーから追ってきたぶん最後は一杯になりましたが、よくしのぎました。着差はハナでしたが、実力ではやはりシャークカイザーのほうが上だと思います。ペースが落ち着いたところで早めに位置取りを上げていったところは、町田騎手は好判断でした。
ききょう賞(優勝馬トウカイピアレス) 2015年8月18日(火)
斎藤 瀧川騎手のトウカイピアレスは、スタート後は無理せず6番手あたりからの追走でした。
竹見 藤江騎手のフィーリンググーがダッシュよく先頭に立って、すぐに流れが落ち着きました。
斎藤 向正面では後ろが仕掛けてきても瀧川騎手はまだじっとしていて、3~4コーナーで勝負に行きました。
竹見 向正面で外に出せればよかったのですが、繁田騎手(パラディドル)がずっと外にぴったりついていましたから、外には出せませんでした。それでも少し強引でしたが3コーナーから仕掛けていったのがよかったです。4コーナー手前からごちゃついたところをよく抜けて来ました。
斎藤 逃げた藤江騎手のフィーリンググーが直線でも先頭でしたが、最後、トウカイピアレスはよく差し切りました(クビ差)。
竹見 瀧川騎手は、4コーナーでひるんで我慢していたら、おそらく届かなかったでしょう。苦しいレースでしたが、最後は力でねじ伏せた感じでした。馬にも勝負根性がありました。それにしても瀧川騎手はうまくなりました。船橋や浦和でも数を乗っているのが結果につながっているのでしょう。

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