佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

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スパーキングサマーカップ&3歳(七)&JRA認定新馬2歳(六・ロ)

8月17~20日の開催のメインとして行われた重賞はスパーキングサマーカップ。このレース連覇を狙ったディアーウィッシュが直線伸びあぐねるなか、船橋勢同士の叩き合いは、9番人気ベルモントルパンが7番人気ウツミランカスターをアタマ差でしりぞけ重賞初制覇。3番人気にも12番人気のザグが入り、波乱の結果となりました。

そして今開催は、特別戦では川崎所属騎手が勝利を挙げられずという残念な結果でした。それゆえ今後に期待のかかるキャリアの浅い馬たちのレースから、酒井忍騎手がプラグレスで制した18日第1レースの3歳戦と、増田充宏騎手がキョウエイロブストで制した20日第1レースのJRA認定新馬戦についてうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

スパーキングサマーカップ(優勝馬ベルモントルパン)2011年8月19日(金)
斎藤 1番人気のディアーウィッシュが8着で、予想外に走りませんでした。
竹見 山崎誠士騎手のヴァイタルシーズがハナに行くのは予想どおりですが、的場文男騎手のシャインウェーヴも追って2番手に行きました。今野騎手のディアーウィッシュも楽に4番手の好位にはつけているんですが、すぐ外に繁田騎手のグランシュヴァリエにぴたりと付かれてしまいました。前にも馬がいて、そこからなかなか動くことができませんでした。位置取り的には悪くはなかったので、もう少し早めに仕掛けて行きたかったと思いますが、結果的に動きがとれなくなってしまい、追い出してからの反応もあまりよくありませんでした。直線ではまったく伸びませんでした。すんなり2番手あたりをキープしていけばいいレースをするんですが、今回は、特に下手に乗ったということもないのですが、スムーズさに欠けていたかもしれません。
斎藤 結果的に、中団を追走した2頭の一騎打ちでした。
竹見 石崎駿騎手のベルモントルパンは、3コーナーから思い切って仕掛けていったのがよかったと思います。あまり人気がなかったので気楽にゆったり乗れたということもあるかもしれません。
スパーキングサマーカップ・ベルモントルパン号
斎藤 坂井英光騎手のウツミランカスターがアタマ差の2着でした。
竹見 坂井騎手も大事に乗っていました。3~4コーナーではベルモントルパンが行ったのを見て、外から並びかけてきました。直線では一旦前に出ましたが、差し返されてしまったのは残念でした。
3歳(七)(優勝馬プラグレス)2011年8月18日(木)
斎藤 1番人気に支持された酒井忍騎手のプラグレスはスタート後は3番手でした。
竹見 ゲートを出てしばらくは頭の高い走りをしています。まだ少し反抗心があるのかもしれません。ただ向正面に入ったら普通に走っていました。
斎藤 砂をかぶると嫌がるところもあるのでしょうか。
竹見 おそらくそういうことも考えて、向正面では外に出したんだと思います。
斎藤 最後の直線でもムチを入れたら頭を上げて、外によれていますね。
竹見 ムチを入れて嫌がるようであれば、あまり何度も叩かずに追ってくるのがいいと思います。まだまだ騎手の指示にしっかり反応していないところがあるかもしれません。能力はあると思いますが、それが十分に発揮できていない感じです。これが初勝利でしたが、大事に使えば走ってくると思います。
JRA認定新馬2歳(六・ロ)(優勝馬キョウエイロブスト)2011年8月20日(土)
斎藤 スタート後は3頭の先行争いになりました。
竹見 ダッシュよく飛び出したのは、3番のコウエイクレストでした。増田騎手のキョウエイロブストは、スタートはあまりよくありませんでしたが、内の2番枠からハナを譲らずに、二の脚を使って行ききったのがよかったですね。行かなければ勝てなかったかもしれません。思い切って行ったのが勝因ですね。この距離(900m)だと、やはりある程度ダッシュ力のある馬が有利です。
斎藤 他に気になる馬はいましたか。
竹見 1番のリッキーワンスモアはスタートでは置かれましたが、4コーナーあたりで前にとりついて3着でした。1番人気に推されていただけあって素質はありそうです。この馬も出世するかもしれません。勝ったキョウエイロブストも、リッキーワンスモアも、サウスヴィグラスの産駒で、この産駒は走りますね。

2011年9月2日

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