佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

記事
ホーム > カワサキケイバマニアックス > 佐々木竹見・王者の眼差し > 川崎マイラーズ&青嵐特別&薫風特別

川崎マイラーズ&青嵐特別&薫風特別

5月14日~18日の開催でメインとして行われた川崎マイラーズは、船橋のカキツバタロイヤルが直線鮮やかに抜け出して勝利。鞍上も船橋の石崎駿騎手でした。

初日のメインとして行われた青嵐特別では、デビュー以来ずっと酒井忍騎手が手綱をとっているチョウサンペガサスが、地元川崎では約1年ぶりの勝利。通算では10勝目となりました。また、最終日の薫風特別では、杉村一樹騎手のハピネスハンターが、4月の浦和開催から連勝となりました。

今回はこの3レースについて佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

■川崎マイラーズ(優勝馬カキツバタロイヤル) 2012年5月16日(水)
川崎マイラーズ優勝馬・カキツバタロイヤル号
斎藤 カキツバタロイヤルは外枠からのスタートで、石崎駿騎手は中団に控えて内に入れていきました。
竹見 カキツバタロイヤルは向正面でも中団で、3コーナー手前から思い切ってラチ沿いを突いて仕掛けていきました。これはうまいところに入れたなと思いました。
斎藤 直線では鮮やかに抜けてきました。
竹見 4コーナーを回ったところで真島騎手のシーズザゴールドが下がって、前がきれいに空きました。あとは逃げていたディアーウィッシュの外に持ちだして交わすだけという、強い競馬でした。
斎藤 ゴール前は吉田稔騎手のファイナルスコアーがラチ沿いから伸びて2着でした。
竹見 ファイナルスコアーは、向正面では勝ち馬の内に並んでいましたから、3コーナーでカキツバタロイヤルよりも一足早く仕掛けて内から行ってしまえばよかったのですが、掛かったのを抑えようとしたのかどうか。あそこで行けていれば、この馬が勝っていたかもしれません。それでもこのレースは、みんなうまく乗っていました。
青嵐特別(優勝馬チョウサンペガサス) 2012年5月14日(月)
斎藤 1番人気となった酒井忍騎手のチョウサンペガサスは2番手からでした。
竹見 大きい馬ですが、ダッシュがよくて、先頭に行く気になれば行けたと思いますが、外のサイレントカイザーを先に行かせて控えました。そのサイレントカイザーも普段は酒井騎手が乗っている馬ですから、手の内がわかっていたのでしょう。
斎藤 直線を向いて、前のサイレントカイザーだけ交わせばという競馬でした。
竹見 チョウサンペガサスは、もともとこのクラスでは力が上ですから、酒井騎手は道中も落ち着いて乗っています。レコード勝ちしたこともある馬なので、自分のペースに持ち込んで、強いレースをしました。
薫風特別(優勝馬ハピネスハンター) 2012年5月18日(金)
斎藤 杉村一樹騎手のハピネスハンターは、無理には行かず控えて5番手からでした。
竹見 好位につけたままじっとしていて、杉村騎手は落ち着いて乗っています。おそらくまわりにいた馬には負けないというのは、3コーナーあたりの手ごたえでわかっていたでしょう。
斎藤 直線を向いて、あとは前の2頭を交わすだけでした。
竹見 ゴール前では、逃げたフサイチクローバーをとらえて、着差は半馬身でしたが、杉村騎手には余裕があって、強いレースをしました。

2012年6月11日

ページトップへ