佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

記事
ホーム > カワサキケイバマニアックス > 佐々木竹見・王者の眼差し > カーネリアンフラワー賞&新星特別&藤沢市特別

カーネリアンフラワー賞&新星特別&藤沢市特別

7月22日~26日の開催では、JRAとの条件交流が3レース行われましたが、23日の第9レース・カーネリアンフラワー賞では川崎所属馬が上位3着まで独占。勝ったのは9番人気のメルローで、鞍上は今野忠成騎手でした。

25日に行われた2歳のJRA認定競走・新星特別では、酒井忍騎手のウィンカイザーがデビューから2連勝を飾りました。また、同日メインとして行われた藤沢市特別では、拜原靖之騎手がトウカイバロンを勝利に導きました。

今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

カーネリアンフラワー賞(優勝馬メルロー) 2013年7月23日(火)
斎藤 大井の新人・笹川翼騎手(オネダリ)の思い切った逃げで、今野騎手のメルローは内枠にもかかわらず中団よりうしろに控えました。
竹見 オネダリはダッシュ力があります。これに藤江騎手のタツノオトシゴ、戸崎騎手のバルバドスブルーが差なく続いて、前のペースは少し速かったと思います。前が競り合ったので、今野騎手は9番手あたりでも悪い位置取りではありませんでした。
斎藤 今野騎手は4コーナー手前でもまだ中団でしたが、馬群の中を狙いました。
竹見 バテて下がってきたオネダリを交わして、4コーナーでは勢いのあった真島騎手のフィロゾフィーオのうしろについて行きました。そして直線を向いて前が空いたところから抜け出しました。前の馬の手ごたえをよく見ていたと思います。
斎藤 メルローは、ゴール前でとらえて余裕がありました。
竹見 水の浮く馬場で、最後は1頭だけ違う脚色でした。人気がないので、思い切った騎乗ができたこともあったと思いますが、おそらく雨馬場も得意なんだと思います。馬体重が427キロしかありませんが、道悪はパワータイプより、こういう軽い馬のほうが走ることはあります。1400メートルで1分27秒8と、このクラスにしては勝ちタイムも速かったです。速めのペースを2番手で追いかけたタツノオトシゴもよく2着に粘ったと思います。
新星特別(優勝馬ウィンカイザー) 2013年7月25日(木)
斎藤 山崎騎手のキョウエイアドニスがハナに行って、酒井騎手のウィンカイザーは1番枠にもかかわらずスタート後は後方2番手でした。
竹見 ウィンカイザーは、スタートはあまりよくありませんでしたが、900メートルのデビュー戦でもダッシュがつかず、最後方からレースをしていました。
斎藤 1コーナーでは外に膨れて、町田騎手のスウェプトジョーイをはじき出してしまうような場面がありました。
竹見 ゴール板の手前あたりから掛かり気味になっていました。1コーナーを回るところではどうしてもペースが落ちますから、そこでおそらく抑えがきかなかったのではないでしょうか。
斎藤 ウィンカイザーは、追えば追っただけ伸びるような感じです。
竹見 3コーナー手前あたりでは一旦前の2頭に離されましたが、そこから前を追いかけました。直線で追われると、前を行く2頭の間が狭くなる場面もありましたが、それでも怯まずに伸びて来ました。追ってからグングン伸びてくるところがいいですね。追っていい馬は出世します。距離が伸びてもさらにいいと思います。
藤沢市特別(優勝馬トウカイバロン) 2013年7月25日(木)
斎藤 拜原騎手のトウカイバロンは、10番枠からのスタートで5番手につけました。
竹見 1番のラヴァリーズームが気合を入れてハナに立って、外から2番手につけたチョウサンペガサスがすぐに抑えましたから、ペースはすぐに落ち着きました。拜原騎手は前を見ながら落ち着いて乗っていました。
斎藤 4コーナーでは馬群の中に突っ込んでいくような形でした。
竹見 あそこでよく馬群の中に入れたと思います。これは好判断です。
斎藤 直線は上がり勝負になりました。
竹見 直線半ばでは外から御神本騎手のイケノエイトマン伸びてきて、トウカイバロンは前が狭くなりかけましたが、あそこで思い切ってぐいっと馬の頭を入れて譲らなかったのはよかったと思います。あそこで下げていたら、イケノエイトマンに勝たれていたところでした。

2013年8月26日

ページトップへ