佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

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JBCレディスクラシック&JBCスプリント&JBCクラシック&ローレル賞

(2016/12/7)

11月は川崎競馬場で4年ぶりのJBC開催となりました。今年も勝ち馬はすべて中央馬で、レディスクラシックはホワイトフーガが連覇、スプリントはダノンレジェンドが勝って悲願のJpnI初制覇、クラシックではアウォーディーがダートで無敗のままJpnI初勝利となりました。

また同日最終レースに行われた2歳牝馬によるローレル賞は、北海道から遠征のアップトゥユーが直線だけで後続を突き放して6馬身差圧勝。鞍上も北海道の阿部龍騎手でした。なお同馬は、そのまま佐々木仁厩舎に転厩。今後は川崎所属としての活躍が期待できそうです。

今回は、JBCおよびローレル賞の4レースについて、佐々木竹見さんに伺いました。(聞き手・構成/斎藤修)

JBCレディスクラシック(優勝馬ホワイトフーガ) 2016年11月3日(木)
JBCレディスクラシック(優勝馬ホワイトフーガ)
斎藤 1番人気のホワイトフーガは控えて3番手の内に付けました。
竹見 ホワイトフーガは、スタートして行きっぷりがよくて、蛯名騎手は引っ張りきれないような感じもありました。そこにブルーチッパーとレッツゴードンキが行ってくれて、流れが速くなりましたから、ホワイトフーガにはちょうどいいペースになりました。内の3番手は、一番いい位置です。ホワイトフーガには絶好の展開になりました。
斎藤 ホワイトフーガは4コーナーでは外から前をとらえにかかりました。
竹見 3コーナー過ぎあたりで、逃げていたブルーチッパーがバテてくるのを見ていたと思います。蛯名騎手は内枠でなんとか折り合いをつけて、4コーナー手前でうまく外に持ち出してという、理想的な競馬ができたのではないでしょうか。
斎藤 レッツゴードンキが思った以上に直線粘りました。
竹見 初めてのダートで、直線ではホワイトフーガに食い下がりました。何度かダートを走って慣れてくれば、いずれチャンスはあると思います。
JBCスプリント(優勝馬ダノンレジェンド) 2016年11月3日(木)
JBCスプリント(優勝馬ダノンレジェンド)
斎藤 今回は、ダノンレジェンドのデムーロ騎手がハナを主張しました。
竹見 ダノンレジェンドはスタートはあまりよくありませんでしたが、ここは思い切ってハナを取り切ったのが勝因です。おそらく無理してでも行こうということは考えていたと思います。
斎藤 単騎での逃げになって、後続を寄せ付けませんでした。
竹見 出遅れたりして能力を発揮できないことはありましたが、こういうレースになれば、ダノンレジェンドにかなう馬はいません。
斎藤 地方馬として期待されたソルテは、残念ながら6着でした。
竹見 好スタートを切りましたが、内枠のダノンレジェンドが行く気を見せたので、1コーナーで控えるしかありませんでした。さきたま杯では強いレースをしていましたが、どんどん強いメンバーと戦うようになって、疲れもあったのかもしれません。3着くらいはあっても、というレースぶりだったので、今回は持てる力を発揮できませんでした。
JBCクラシック(優勝馬アウォーディー) 2016年11月3日(木)
JBCクラシック(優勝馬アウォーディー)
斎藤 抜群のスタートを切ったホッコータルマエは、サミットストーンを行かせて2番手からでした。
竹見 ホッコータルマエはダッシュ力があります。3年連続でドバイに遠征して、よくここまで立て直してきています。
斎藤 勝ったアウォーディーは、コパノリッキーをマークするような形で、直後を追走しました。
竹見 よく折り合いがついて、この馬のペースでレースを進めることができました。
斎藤 4コーナー手前からアウォーディーが一気に前をとらえにかかって、直線では人気3頭の追い比べになりました。
竹見 コパノリッキーは、4、5番手の外目につけましたが、最初のスタンド前でかなり掛かっていました。もう少しスタートで出て、好位につけていければよかったのですが……。スタートで出遅れた上にかかったぶん、南部杯のような行きっぷりではありませんでした。直線で早々と一杯になってしまったのは、そのためでしょう。それにしてもアウォーディーは強いレースをしました。長い距離では、ある程度折り合った馬が強いです。ホッコータルマエも最後はよく粘りました。幸騎手はうまく乗っていたので、これで負けたのは仕方ありません。
ローレル賞(優勝馬アップトゥユー) 2016年11月3日(木)
ローレル賞(優勝馬アップトゥユー)
斎藤 逃げたのは森泰斗騎手のスターインパルスでしたが、外枠からアップトゥユーが一気に行って2番手につけました。
竹見 アップトゥユーはダッシュ力があって、外枠からでも阿部龍騎手が思い切って行かせたのがよかったと思います。4コーナーから追い出されると、直線では後続をぐんぐん離しました。それにしてもグランド牧場のサウスヴィグラス産駒は、毎年毎年強い馬を出します。
斎藤 逃げて直線バテたスターインパルスをとらえたのは赤岡騎手のイクノチャンでした。
竹見 イクノチャンは、道中は中団よりうしろの位置取りでした。それにしてもゴール前はよく伸びてきました。この馬は直線の長い大井なら、さらに力を発揮するかもしれません。

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