佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

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鎌倉記念&しずおか爽秋特別&古都特別

10月の川崎競馬は13~17日の5日間開催。メインとして行われたのは南関東での最初の2歳重賞・鎌倉記念で、ホッカイドウ競馬から転入2戦目となった船橋のオウマタイムが強い勝ち方を見せました。鞍上は浦和の繁田健一騎手でした。

初日のメイン、しずおか爽秋特別(B3級二組)は、台風の影響による雨の不良馬場にもかかわらず、瀧川寿希也騎手のマルモリロイヤルが直線力強く差し切って1番人気にこたえました。

2日目のメイン、古都特別(B2級二組、B3級一組)は、藤江渉騎手のダイリンウィークが2番手から突き放しての圧勝でした。

今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

鎌倉記念(優勝馬オウマタイム) 2014年10月15日(水)
鎌倉記念(優勝馬オウマタイム)
斎藤 人気のラッキープリンスが2番手、勝ったオウマタイムは直後の3番手でした。
竹見 オウマタイムの繁田騎手は、早め早めの競馬で、3コーナーではもう先頭に立つ勢いでした。もう少し、4コーナーあたりまで我慢していてもよかったように思いますが、直線を向いて抜け出して、最後までバテませんでした。それだけ力があるということでしょう。タイムパラドックスの仔はダートで走る産駒を出しますね。
斎藤 2着は石崎駿騎手のクールテゾーロで、最後は3/4馬身まで迫りました。
竹見 見せ場があったのはこの馬でしょう。4コーナーあたりの勢いでは勝ったかと思いました。ゴール前では勝ち馬に迫りましたが、勝ったほうもまだ余裕がありました。直線でも頭が高い走りをしていましたから、まだ力を出し切っていないかもしれません。将来が楽しみな馬です。
斎藤 人気のラッキープリンスは3着でした。
竹見 ラッキープリンスは、3コーナーで挟まれるような感じで一旦下がりました。それでも直線でもう一度伸びていますから、力はあります。大事に使っていってほしい馬です。上位3頭は、どれも来年に向けての可能性は大きいと思います。
しずおか爽秋特別(優勝馬マルモリロイヤル) 2014年10月13日(月)
斎藤 瀧川騎手のマルモリロイヤルは、内の5番手あたりからの追走でした。
竹見 雨がかなり降っていましたが、流れを見て好位につけたのはいいと思います。普段はもっとうしろからレースをしていますから、この馬にしてはかなり前につけました。
斎藤 たしかに前走の船橋でも後方追走から直線で差し切っています。
竹見 瀧川騎手は落ち着いて乗っているのがよかったと思います。3コーナーからは持ったままで位置取りを上げていきました。
斎藤 4コーナーでもうまく前が空いて抜け出してきました。
竹見 直線はいい脚で伸びてきました。終いにいい脚を使う馬で、まだ3歳ですから、この勝ち方なら上のクラスにいっても勝てるでしょう。雨の馬場も上手なのかもしれません。瀧川騎手は川崎の馬だけでなく、船橋の馬などにも乗る機会が多く、いい騎乗が目立ちます。
古都特別(優勝馬ダイリンウィーク) 2014年10月14日(火)
斎藤 外枠2頭が気合を入れて行く気を見せて、藤江騎手のダイリンウィークは2番手でした。
竹見 イチバンボシ(増田充宏騎手)が1番枠だったので逃げるかと思いましたが、外から一気に来られてしまったので、下げる形になりました。この馬は行けないと厳しいようです。逃げたサイドシルとダイリンウィークは、おそらく外枠でも行くと決めていたのでしょう。
斎藤 もしイチバンボシが逃げていたら、展開や結果も違っていたでしょうか。
竹見 でもイチバンボシは、このメンバーに入ると力的に厳しいですから、いずれにしても3コーナー過ぎあたりで交わされていたと思います。
斎藤 結局、前に行った2頭で、前後を入れ替えての決着でした。
竹見 ダッシュ力がある馬はやはり強いです。イチバンボシが行く気を見せなかったことで、ほかに競りかけてくる馬もいませんでした。前の2頭は1周目のゴール板よりかなり前でハナをとりきったために流れが落ち着いて、楽な競馬になったと思います。1番人気になっていた御神本騎手のハッピーウェーブは、中団よりうしろから徐々に位置取りを上げて追ってきましたが、届きませんでした。

2014年10月27日

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