佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

記事

御成特別&鎌倉記念&帷子川特別

10月7日~11日の開催でメインとして行われたのは、2歳馬による鎌倉記念でした。勝ったのは北海道から遠征のニシノデンジャラス、鞍上は今野忠成騎手でした。

そのほか、初日に行われた3歳馬による御成特別を勝ったのは、中央からの転入初戦、森下博騎手のチョコタクン。最終日、C2の帷子川特別は、連勝中のトキツユウが山崎誠士騎手で勝ちました。

今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

御成特別(優勝馬チョコタクン) 2013年10月7日(月)
斎藤 勝った森下騎手のチョコタクンは、1番枠でも下げて中団からでした。
竹見 スタートがあまりよくなかったのでうしろからになりましたが、森下騎手は向正面から追い出して、4コーナー手前では1番人気のレアルタと並んで先頭まで行きました。
斎藤 最後はレアルタと叩き合いになってハナ差で勝ちました。
竹見 今回が中央からの転入初戦で、特に近走はいいところがなかったのでどうかと思いましたが、この走りならこれから強くなるかもしれません。普通はあそこから追っていくと終いはバテてしまいますが、最後まで伸びていました。3着には4馬身差がついていますからよく走りました。終いにいい脚を使う馬ということはわかっていたと思いますが、森下騎手もまさかここまでとは思ってなかったのではないでしょうか。
鎌倉記念(優勝馬ニシノデンジャラス) 2013年10月9日(水)
鎌倉記念優勝馬:ニシノデンジャラス号
斎藤 今野騎手のニシノデンジャラスは2番手につけていきました。
竹見 スタートはあまりよくありませんでしが、二の脚の違いで、あまり仕掛けることなく、逃げたウィーゴーの直後につけました。外から大事に、馬に任せて行ってるので、今野騎手は自信があったのではないでしょうか。
斎藤 3コーナーあたりから2頭が後続を離して追い比べになりました。
竹見 北海道から来る馬は、コーナーをうまく回れない馬がよくいますが、今野騎手はうまく乗ってきました。最後に突き放して5馬身差でしたから、このメンバーでは力が違いました。数を使われていることや、1700や1800メートルの距離を使われている強さもあると思います。
斎藤 山崎騎手のウィーゴーは3着でした。
竹見 ウィーゴーは最後に突き放されて、離れた3番手から伸びてきたファーストキスに交わされてしまいましたが、今回は競った相手が強かったので仕方ありません。次は巻き返してくるのではないでしょうか。
帷子川特別(優勝馬トキツユウ) 2013年10月11日(金)
斎藤 大外から新人・笹川騎手のゼンノオウショウがハナに行って、山崎騎手のトキツユウは内で控えて4番手でした。
竹見 笹川騎手はかなり思い切って行きました。山崎騎手はいいスタートを切って、外から来られたのですぐに控えました。
斎藤 山崎騎手は、4コーナーでは楽な手ごたえのまま2番手まで進出しました。
竹見 好位についていって、4コーナーでも前にじゃまになる馬がいませんでしたから、内を回って最後だけ外に持ちだしてという、正攻法で抜け出しました。落ち着いて乗っていました。
斎藤 ゴール前、今野騎手のセルリアンラビットが一気に迫りました。
竹見 今野騎手はスタート後はうしろから3番手。3コーナーでもうしろから4番手。4コーナーではラチ沿いで一気に位置取りを上げました。それでもまだ中団でしたが、最後はいい脚を使いました。勢いだけでは勝ったような感じでした。

2013年11月11日

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