佐々木竹見・王者の眼差し
プロフィール
佐々木竹見

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。
"鉄人"の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

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スパーキングサマーチャレンジ&ビーチサイド特別&湘南江の島海の女王杯

7月25~29日の開催では重賞がありませんでした。メインとして27日に行われたのは、準重賞の'11スパーキングサマーチャレンジ。勝ったのはフリオーソの半弟トーセンルーチェで、鞍上はフリオーソでジャパンダートダービーを制した経験がある今野忠成騎手でした。
  同日の最終レースとして行われたビーチサイド特別では、名古屋から期間限定騎乗で来ている持原大志騎手がザッツファインを勝利に導きました。そして最終日の南関東交流・湘南江の島海の女王杯では、酒井忍騎手のラヴァリーズームが勝利。今回は、この3レースについてうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

スパーキングサマーチャレンジ(優勝馬トーセンルーチェ)2011年7月27日(水)
スパーキングサマーチャレンジ・トーセンルーチェ号
斎藤 トーセンルーチェは1番人気でしたが、今野騎手は中団に控えました。
竹見 頭数が少なかったので、砂をかぶらない外めを追走しました。良馬場もあって、今野騎手は自信を持って乗っていたようです。すでにこの馬には何度か乗ったことがあるという経験もあって落ち着いていました。
斎藤 ペースはあまり速いようには見えませんでした。
竹見 ただ、前に行った組で残ったのは、逃げたジョーイロンデル(3着)だけ。スタート後は最後方だったリュウノボーイが最後によく追い込んできて2着ですから、やはりペースは速かったのかもしれません。1分40秒9という勝ちタイムも速いです。結果的に、今野騎手の中団という位置取りは一番いいところだったのかもしれません。この馬は、使い込んでいけばまだまだ強くなるでしょう。
斎藤 山崎誠士騎手のナンテカは2番人気でしたが、直線で後退してしまいました。
竹見 ナンテカは、前走も前々走も逃げていたので、今回ももう少し前に行ってもよかったように思います。3番手からで8着でしたが、それでもこういうレースを経験すれば、次はよくなるかもしれません。
ビーチサイド特別(優勝馬ザッツファイン)2011年7月27日(水)
斎藤 ザッツファインの持原騎手は、出ムチを入れていきましたが、5番手あたりに下げました。
竹見 最初は行く気だったようですが、内にも行こうとしている馬が3頭いたので、1コーナー手前で下げました。外枠だったので、いい判断だったと思います。
斎藤 向正面では空馬が前に行ったので、先行勢はレースがしにくかったのではないでしょうか。
竹見 空馬が前にからんで行く形になって、先頭の的場騎手(アラタカ)が掛かりぎみになったので、ペースが上がりました。位置取りを下げたザッツファインには、結果的にちょうどいいペースになりました。
斎藤 直線では外からよく伸びて差しきりました。
竹見 持原騎手は大外枠からのスタートでも、うまく乗りました。追ってきても姿勢が崩れないのもいいし、勝負強いです。
湘南江の島海の女王杯(優勝馬ラヴァリーズーム)2011年7月29日(金)
斎藤 スタート後は、酒井忍騎手のラヴァリーズームと、真島騎手のブロードアウェイクの2頭が互いに譲らずという形でした。
竹見 酒井騎手がダッシュよく飛び出して、真島騎手も前に行きたかったんでしょうが、こういうふうに互いに譲らずとなると、やはり内枠のラヴァリーズームが最初のコーナーで前に行くことになります。外から無理やり行ったのでは、レースが壊れてしまいますから、これはしかたありません。
斎藤 1コーナーまでが少し短い1500メートルということもありましたか。
竹見 そうですね。1600メートルになれば1コーナーまでが長くなりますから、真島騎手も思い切って行ったかもしれません。
斎藤 ラヴァリーズームは、直線では余裕の手ごたえで突き放しました。
竹見 ラヴァリーズームの酒井騎手は、終始楽な手ごたえでした。実力的にも、上のクラスに行って通用する力があると思います。酒井騎手は姿勢も綺麗だし、追ってからもいいですね。
斎藤 真島騎手のブロードアウェイクは5着でした。
竹見 最後の直線で後退してしまいましたが、先頭に行けていればもう少し粘って2着くらいはあったかもしれません。

2011年8月15日

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